「月が綺麗だな…」
満月から少し過ぎたくらいの月を
愛知から400kmの帰路の途中、運転をしながら何気なく思った。
満月だと、今日大潮かな?と思ってしまうのは海釣りをした事のある人の性。
釣りに行きたいなとウズウズしてしまいます。
この時はまだ寄り道をするなんて思いもしませんでしたが、この後向かう事になる場所では静かに春を迎えていました。
バチ抜けとは
バチとはイソメやゴカイの仲間の総称で、
これらが春の大潮の引き潮の数時間の間に砂や泥の中から一斉に出てきて繁殖行動をするのだとか。
何で感知しているのか、毎回大潮〜大潮後の中潮あたりに集中している事が多く、
時間帯としては満潮から下げに向けての時間が多いそう。
時間帯も大体が夜で、底で行われる事もあれば表層まで浮くこともあるよう。
泳ぐのが得意ではない彼らはその引き潮の流れに乗って移動していくのですね。
キッカケは突然に
この時、僕とペンさんは東海地方からの釣りの帰り道。
道中6時間くらいの運転で、途中でガソリンを入れる為に静岡県のガソスタに寄った時のこと。
待っている間に何気なく開いたSNSから
たまたま目に飛び込んできたのは「バチ抜けすごい!」という投稿。
見てみたいな…と毎年思うものの、イマイチタイミングもわからず、気づくと終わっている事が多かったバチ抜け。
これはタイミングばっちりじゃないか!見に行くしかない!
そのSNSの知り合いはシーバスアングラーの為、ルアーに絡みつく画像や無数に泳ぐ姿を載せていました。
場所は……千葉県。
現在静岡県から埼玉県へ帰っている途中。埼玉を通過して、更に奥に行くことになります。
さすがに遠回りだな、、なんて思い迷いましたが、ちょっと発想の転換、
帰り道に多摩川を通過するし、もしかしたら多摩川でもワンチャンあるかも…?
場所は違えど同じ現象が起こっているのでは?と仮定し、
むしろそれを証明したくすぐに多摩川にナビをセットし向かいました。
多摩川のどこに行くべきか
到着したものの、多摩川、広い。
とりあえず帰り道の途中にある橋から徐々に下っていくことにしよう。
河口まで10ヶ所くらいか。全て覗けば一ヶ所くらい溜まっている場所があるんじゃないかな?と車を走らせました。
河川敷には駐車スペースがある所もあり想像以上にどこもアクセスは悪くなかったです。
とりあえず車を停め川へ向かいました。

しかし…無。
木や草のようなものがたくさん流れており、それがバチなのかとぬか喜びをさせられます。

大都会東京(笑)。
こんな裏でそんな姿見れるのかなと不安になったり。
僕は単独だと基本的にランガンスタイル、
足で稼ぐような探し方をするので、
車からダッシュで川へ行き観察、
いなければ次へ、というような感じで走り回ります。
リミッターが外れたのか走って探していたら、
さすがにペンさんに呆れられました(笑)。
1人だといつもこんな感じっす、
スミマセン(笑)。
そして二ヶ所目…

お、、いた!

初めてのバチ抜け?を体験
とりあえずは発見!
よくよく観察しているとポツリ、またポツリとどこからともなく泳いでくる。
見れたのは嬉しいんだけど、
僕が見たいのはもっと凄いやつ。
次々回ってゆきましょう。
ここでペンさんから
とあるところがいいんじゃない?一気にそこまで行こうとの提案。
この無な感じから徐々にたくさんいるポイントへ近づいている感じを味わいたくも、
時間も疲労もかなりのものだったのでペンさんのいうポイントへ向かうことに。
でもどうしても一ヶ所気になる川の蛇行ポイントがあり、先にそこへ行くことにしました。
そういう蛇行して曲がったところに溜まっているんじゃ?溜まってないなら溜まってないで、どうなっているのか見たかったのです。

しかしポツポツのみ
あいや、残念。
そんなに甘くなかった。
想像以上に流れが早く、留まれる雰囲気ではなかったです。
改めて、ペンさん提案ポイントへまわることに。
到着するやいなや、かなりいそうな場所を発見。これは間違いない!!
そして……

すげええええええ!たくさんいる!
バチ抜けらしいバチ抜けに遭遇!!
びっくりするほどの量。
こいつぁすげえや!!
見てみると青っぽいのもいれば赤っぽいの、黄色っぽいの、途中で色の違うものなど様々。
何によって体色が変わるのかは不明、というか別種かもしれませんね。
しかしまあ、なんという数でしょう。
気持ち悪いという方もいるかもしれませんが、実物はとても神秘的でした……
2人で夢中でシャッターをきり、
心ゆくまで観察する遠征帰りの真夜中(笑)。
バチの前にキチになる2人がそこにはいました。
バチ抜けといえば釣りでもバチ抜けパターン
バチ抜けといえばシーバス釣り。
バチ抜けパターンなるものがあります。
このバチが大量に出てきたのをシーバスが黙々と食べるそうで、
タイミングがあえばルアーを浮かしておくと何もせずともバチと間違えて食ってくるんだとか。
ちょっと経験したくも
この時は魚の気配、捕食している感じもありませんでした。
いつかこのバチ抜けパターン、体験してみたいものですね。

そして河口の方まできてしまった…
その後も結局あちこち寄って観察、河口の方まできてお開きに。
遠征帰りについでに寄ったのはさすがに疲れました(笑)。
このバチ抜け、次の大潮あたりにも起こるんじゃないかな?と期待をして、また観察にいきたいなーと密かに計画中。
みなさんにも神秘的なバチの舞、是非一度生で観察していただけたらなーと思いました。
かなり過酷な遠征にも関わらず、お付き合いいただいたペンさんありがとうございました。
多摩川より、バチ抜け探しでした〜。