ギンリンヤリタナゴを釣った後、
夜は友人と合流岐阜へ移動してアルビノおたま調査!
たくさんいたという投稿を見て、
どんな環境なのだろう?と思い聞いてみたところ、
案内してくれるとの事で合流させてもらいました。
今回の遠征のメインの1つだったので、
岐阜に行く前に滋賀県でも
あちこちの田んぼを覗いていました。
すると既にオタマジャクシはあまりおらず、
みんな変態してカエルになってしまったのかなー?という感じ。
正直かなり厳しいだろうなという雰囲気。
こういうのは期待すると絶対見つからないという私的ジンクスがあるので、
あまり期待せずにアルビノがいたという場所に
案内してもらうと…………いた!
アルビノのトノサマガエルのオタマジャクシ!
ライトに反射しているのではなく、目まで赤くちゃんとしたアルビノ個体。
天然でもいるものなんだなあ…と感動しながら周辺を散策。

ホントにいた!

アルビノとノーマルおたま
1匹2匹ではなくそこそこの数のアルビノがいてビックリ!こんな場所もあるんですねえ。
何より、このポイントを自力で見つけ出したのがすごい!!

かわいい
その後周辺も色々と見て回り、
滋賀県同様 小ガエルもかなりいました。
結構な数がオタマから変態し上陸したと思われるのですが、探せど探せどノーマルガエルばかり。
かなりいるにも関わらずアルビノのカエルは発見ならずでした。

背のラインが乱れている個体が多かった印象
やっぱり目立つぶん、捕食されてしまったりするのかなあ。。
でもなんで親サイズに育てないのに遺伝するんだろ?とふと思ったのですが…
もしかしたら、ヘテロ?
ヘテロをザックリと説明すると、
表現型(今回の場合は体色)がノーマルだとしても、
別の劣勢の遺伝子を持っていること。
劣勢の遺伝子なので、
優勢の遺伝子と共にあると
表現型としては優勢(ノーマル)になってしまうのですが、
劣勢の遺伝子同士が掛かる事で劣勢のカラーが表現型としてでる事があります。
それでもヘテロ同士でも100%アルビノがでるわけではなく、
全体の1/4くらいとなるんだけど…。
なので、飼育でやっていた頃も、
親(ノーマル)と親(アルビノ)から子(ヘテロ=両方の遺伝子を持っているけどノーマルの方が優勢だから体色はノーマル)を産ませ、
更にその子(ヘテロ)同士をかけることで、孫の代で1/4アルビノが出る。
当然子供が大人になって初めてかけることができるので、成長に2〜3年かかったとして、
親個体を子供から育てると量産するのに最短でも4年ちょいかかることになる…。
当然、飼育、繁殖が上手くいく前提で。
これがどうにもダルくて、爬虫類とかの品種としての繁殖は僕はハマれなかったのですが、
まさかその知識がここで出てくるとは(笑)。
つまり黒い普通のオタマジャクシでもアルビノの遺伝子を持った個体(ヘテロ)がおそらく多く、それら同士の子供からアルビノが出ているんじゃないかな、という想像。
運良く生き残ってくれた表現型アルビノの親とかかれば
高確率でアルビノが出てきてるんじゃないかな?という感じ。
僕自身飼育繁殖にしか興味が向いていなかった頃はヘテロの存在はかなりもどかしく、
なんでノーマルとアルビノの2つじゃないんだよ……なんて思っていましたが、
自然に出てみると、見事に遺伝子としての多様性を守っている事に気づかされました。
これはアルビノという見た目だけの話ではなく、
例えば何か菌とか病気とかに対する抵抗力であったり
身を守るための皮膚毒の強さであったり(トノサマグループは元々毒性は弱いみたいですけど)、
目に見えないものを含めて
色々な物が複雑に遺伝子の中に組み込まれていて、
何かあった時に全滅しないように備えられた
生物としての戦略なんだなあ、、と
しみじみ思いました。
それらが各エリア毎に環境に合わせた形に変わっていっているわけで、仮に同じ種の生物であっても、
人間が勝手に移動しちゃあいけないよね、と。
今回のこのエリアが、
このまま長い年月が経って
仮に草や土が黄色っぽくなり、
アルビノの方が有利になる事があるかもしれない。
それは他のエリアに比べかなり微妙な差であったとしても
確実に淘汰は進んでゆくわけで、
気づけばアルビノの方が多い日が
くることもあるかもしれない。
それには膨大な長い長い年月がかかるのだろうけど、
全くない話ではないよね、と思うのです。
仮にここに別のエリアの個体を入れてしまって、
その個体群の方が現段階で
このアルビノグループよりも何か優位な事があったとする、
するとここエリアの個体達はゆっくりといなくなっていく可能性だってある。
これはアルビノに限った事ではなく病気に対する耐性であったり様々な事であり得る訳です。
ここ最近外来種問題(バスをはじめガーパイクやヒアリやカミツキガメなどなど)をメディアで見る機会が増えましたが、
書いた通り国内の同じ種であってもエリアが違えば移動させるのは良くないことなのです。
わざわざどこかで採ってきた個体をその辺に放すということはないと思いますが、ペットショップで買った国産の生き物であっても決して放すことはよくありません。
何故か”逃してあげる”と言う事が美談の様に語り継がれていますが、それはそのエリアの生き物達を緩やかに本来の道筋から変えてしまう行為ともなり兼ねないので、絶対にやめましょう。。
生き物の移動は気をつけましょう、
こういう素晴らしい所もあることですし(笑)。
自然は大切に、楽しませてもらいましょう!と改めて思わされました。
そして乱獲や駆除などされず、
ずっとこの楽園があったら素敵だなあと、
勝手に思っていました。

タガメもいたヨ