埼玉県の県魚 / 埼玉県 ムサシトミヨ

各都道府県に存在する県魚、所謂県を代表する魚をご存知でしょうか。
海のない県では鮎がありがたがられたりしてるのですが、僕の住む埼玉県ではムサシトミヨという魚が県魚となっています。


トゲウオというグループの魚で、面白い事に繁殖期には鳥のような巣を作ったりする器用な魚でもあります。
なかなか接する機会も少ないと思うので、名前を聞いたことのない人の方が多いのではないかと思いますが、なんでそんなマイナーな魚が県魚なのかというと、自然生息しているのが全国でもここ埼玉県のみとなってしまっているからです。


というのも、ムサシトミヨの属するトゲウオ類は低温を好む冷水系の魚な為、本州だと湧水の近くなどに限定的に生息しているグループ。
いつぞや全国で最も高い気温を叩き出した灼熱の地・埼玉県熊谷市にその最後の生息地があるというのも凄い話です。
湧水の近くであれば気温が高くなったとしても水温に影響が出ずに安定して生息出来ると言うことがわかりますよね。

見に行ってきました

コロナの影響もあり県を跨いだ移動を自粛される中、同じ埼玉県内を家から生息地までを自分の車でどこにも寄らずに帰るならいいんじゃないかという事で覗きに行ってみました。
どうも外出そのものが悪!みたいな風潮ありますけど、菌をもらわなければいいのであってこういう移動はありなんじゃないかなーと個人的には思います。


話は沙れましたが、行ってみて驚いたのは住宅街のど真ん中にあるということ!



こういう魚って、人間の生活圏から少し外れたところにひっそりといるケースが多かったりするのですが、運転していてもこんなコンクリートだらけの道の近くにあるのかな??と思うほど。
普通に走らせていると見落とすほど、こんなところに!?という場所にありました。





前日そこそこ雨が降ったのですが、湧水周辺だし大丈夫じゃないかな?と思って覗きに行ってみると…



濁りが全くなく、湧水ってすごいな〜と。
そして上から覗いてみても魚がウロチョロしていて、その魚たちがムサシトミヨである事はすぐにわかりました。
水中にカメラを入れてみると最初こそ警戒するものの、落ち着くと気にする素振りもなくのんびりと過ごしていました。








このムサシトミヨの存在は子供の頃からよく連れて行ってもらっていた、さいたま水族館で展示されていたので、ムジナモ(埼玉の生息地が天然記念物に指定されている)と共に結構身近というか馴染みのある魚でした。


それだけにそのうち行ければいいやという感じで生息地を見に行く事もなかったのですが、今のコロナ自粛な時にこそ、埼玉県内で見れるものを!という事で行ってみました。


上にも書いた通り、トゲウオの仲間は自分で巣を作る魚でもあるのですが、この時はわかりやすい巣は確認できず。
しかし巣みたいな穴状になったところにいる個体を何匹か観察する事ができました。






これは巣なのか…??
せっせとこの周りを整えたりもしていたので、自然にできたというよりは魚達で作り上げたような印象を受けました。
周辺の水草に合わせて様々な形状の巣を作ったりもするのかな??
巣を作るのはオスで、これが巣であれば、ここにメスを呼び込みペアリングするのだとか。


秋田の個体こちらはイバラトミヨという近縁種


北海道には普通に生息している他、東北にも局所的にトミヨの仲間は生息しています。


元々このムサシトミヨはそこそこ広い範囲(と言っても局所的にですが)に生息していたんですが、開発による湧水の枯渇などにより、次々と生息地が消滅。
ここ熊谷市でもすぐ隣に養鱒場があった為、冷水を流していたので奇跡的に生息地が残ったような感じだったそうです。
よくもまあピンポイントで残ってくれたものですよね…。


人間の生活が便利になる為の開発で姿を消しつつも、人間の活動によって絶滅しなかった、というのもなんとも不思議な話であります。
もう最後の生息地となるとなかなか厳しいものがありますが、この魚が絶滅しない事を願うばかりであります。





いつまでもここが残りますように。
おわり

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