季節もだいぶ進み暖かくなってきたので連日カエル観察やサンショウウオ探しとフィールドに繰り出しておりますこんにちは。
トウキョウサンショウウオの新規ポイントを探してウロウロしていますが、なかなか止水棲みサンショウウオを見つけるのは難しいですね。

ようやく見れた
さて、今回紹介するのは止水とは真逆の流れた渓流周辺に住んでいるナガレタゴガエルというカエルです。
去年は探せど探せど近縁種のタゴガエルばかり。他県でも見れるのは何故かタゴばかりでナガレタゴに辿り着けずでした。

タゴガエル
この2種ですが、ぱっと見ソックリ。見分けるポイントは後ろ足の水掻きが発達しているかどうかなのですが、捕まえてみないと分かりにくいので、見つけた段階ではどちらかわからない、というのが厄介なところでもあります。

タゴガエルの水掻き

ナガレタゴの水掻き
ナガレタゴの方が指先まで水掻きが発達しており、より泳ぐのが上手なのかな?
捕まえてドキドキしながら後ろ足を見るとまたタゴガエルか!!!!なんて悶々としていました。
勿論タゴガエルも間違いなく良いカエルですが、やはり本命を探している最中に似た種類ばかりだと嫌になるもの(笑)。
毎年探しだすのが遅かったようなので、今年は少し早めに。これが良かったのかいくつもの場所で姿を確認することができました。

数年越しにようやくナガレタゴ
詳しい友人曰く、陸で冬眠する種類に比べて水中の方が温度が高く冬眠明けが早いんだそう。早めに探し出したのが正解だったわけですね。
そして冬眠から覚めると繁殖のシーズンとなります。繁殖時期のカエルと言えば鳴き声が有名ですが、このナガレタゴガエルは特に聞くことができず。
包接(オスメスでくっついている)個体もいる中どう言う事なんだろう?と思っていたら、水中にカメラを沈めてみると鳴き声を録れますよ、と教えてもらい録音してみると…驚くほどずっと鳴いている!

包接
動画をブログに貼れないのが残念ですが、陸では気づかないくらいの鳴き声なんですが、水中だとこんなに鮮明に聞こえるのか〜と結構感動しました。
直接聞きたいな、と顔面を冷たい水につけてみると思いの外鳴き声は小さくて、iPhoneの集音機能すげえな!!と思ったのも印象的でした(生き物全然関係ない話)。

めっちゃ冷たかった…
立ち上がったあとに襟から冷水が服の中に入ってきたのが震えるほど冷たかったですが、機械越しでなく今 目の前でカエル達が自分の鼓膜を揺らしているのかーと思うと感銘深いものがありました。
探しに行く、リアルを知るっていうのはこういう事なのかな、とも。
ビショビショになりながらそんなことをボーっと噛み締めていて完全に不審者でした。
エリアとしてはイワナがいるような場所から、ウシガエルがいるところまで結構様々。
いずれもロケーションはとてもいいので気持ちよく探しに行けるんです。

こんな渓流部にウシガエルがいたのも驚きでした
産卵の為に集結しているのを見れると、人知らず命を繋いでいるのだな、とホッコリしますね。

たくさんいた
また、タゴガエルやナガレタゴのオタマジャクシは餌を取る事なく栄養吸収でカエルに変態するのだそうで、オタマジャクシの形態も興味深いので、定期的に通って観察していきたいと思います。

ちなみに水中越冬すると皮膚呼吸を効率化させる為か皮膚がブヨブヨになるよ
おわり